「マッサージに行っても、またすぐ肩こりが戻ってくる…」
そんな経験、あなたもありませんか?
肩こりは、多くの人にとって「つらい不調の代表格」です。
でも実は、“肩”をいくら揉んでも根本的な改善にはつながらないケースがほとんどです。
なぜなら、肩こりの本当の原因は肩そのものではないことが多いからです。
この記事では、整体師の視点から
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肩こりが“ほぐしても治らない”理由
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肩こりを引き起こす体の深い仕組み
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根本から改善するためのセルフケアと考え方
についてわかりやすく解説していきます。
肩こりは「悪者」じゃない
──実は、体からの“サイン”です
まず大前提として、肩こりは「肩の筋肉が悪い」わけではありません。
肩がこるというのは、
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筋肉が緊張し
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血流が滞り
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酸素や栄養が届きにくくなって
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老廃物が溜まっている状態
つまり、肩が「うまく働けていませんよ」「助けてください」とSOSを出している状態なのです。
だからこそ、
肩をマッサージで一時的にほぐしても、原因が変わらない限りまたすぐ元に戻ってしまうのです。
肩こりの原因は“肩以外”にある
肩をほぐしても良くならない理由は、
根本的な原因が別の場所にあるからです。
以下の3つの要因が重なっていることが多いです。
原因① 姿勢と重心の乱れ
現代人の多くは、デスクワークやスマホの影響で
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猫背
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首が前に出る(ストレートネック)
といった姿勢になっています。
実は、頭の重さは約5〜6kgもあります。
この重みを前に出た状態で支えようとすると、肩や首の筋肉に常に負担がかかります。
原因② 呼吸が浅く、横隔膜が動いていない
呼吸が浅くなっている人は、**横隔膜(お腹の奥の筋肉)**がうまく動いていません。
すると、呼吸に使うはずの筋肉が使われず、代わりに肩や首まわりの筋肉で呼吸を補おうとするのです。
つまり、深い呼吸ができないことで、肩が「呼吸筋」として酷使されてしまい、こりやすくなるのです。
原因③ 自律神経の乱れ・ストレス
人間関係、仕事、スマホや情報の過多など、常に緊張状態が続いていると、交感神経(緊張モード)が優位になります。
すると、体は「戦闘状態」に入り、肩をすくめるような姿勢になりやすくなります。
結果として、肩がいつもガチガチに緊張してしまうのです。
「ほぐさなくても肩こりが改善する」体づくりとは?
肩こりは、肩だけにアプローチしても根本的には改善しません。
大切なのは、全身の循環・姿勢・呼吸・心の緊張を見直すことです。
ポイント① 血流・リンパの流れを整える
肩こりは、血液やリンパが滞っている状態です。
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鎖骨周り(リンパの出口)
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肋骨・肩甲骨まわり
このあたりの動きを良くしてあげることで、「巡る体」になり、自然と肩の負担が減ります。
ポイント② 呼吸を深く、横隔膜を動かす
「吸う・吐く」をゆっくりと意識して行うことで、
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横隔膜がしっかり動く
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自律神経が整う
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肩の緊張がゆるむ
という良い連鎖が起こります。
まずは1日1分でも、「深呼吸だけに集中する時間」を作ってみましょう。
ポイント③ 肩に頼らない“体の使い方”を身につける
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物を持つとき、つい肩に力が入っていませんか?
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座るとき、背中が丸まっていませんか?
肩こりを起こさない体にするには、肩以外の筋肉(足・背中・骨盤)で体を支える感覚を身につけることが重要です。
整体師おすすめ|肩こりセルフケア3選
以下は、肩こり改善のベースになる簡単ケアです。
① 鎖骨周辺のマッサージ
鎖骨下を指の腹で軽くさすって、リンパの流れを促進。
1日30秒でもOK。
② 肩甲骨まわし×深呼吸
肩をゆっくり回しながら、吸う→吐くを5回繰り返す。
“動かす”と“呼吸”をセットにするのがコツ。
③ 寝る前の腹式呼吸
仰向けに寝て、へその上に手を置き、
「お腹がふくらむ呼吸」を5回ゆっくり。
自律神経のバランスが整い、肩の緊張が取れやすくなります。
まとめ|肩こりは“体と心のつながり”から見直そう
肩こりを繰り返している人ほど、
「肩以外に原因がある」という視点がとても大切です。
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呼吸は浅くなっていないか?
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姿勢にムリがかかっていないか?
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体がずっと緊張していないか?
肩こりは“肩が悪い”のではなく、
体と心の状態を知らせてくれているサインです。
そのサインに気づき、体にやさしい習慣を取り入れることで、
ほぐさなくても、**「気づけば肩がこらなくなっていた」**という状態も、決して夢ではありません。
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