はじめに:情報が多すぎる時代に
最近、ChatGPTを健康のために使っている方が増えています。でも、整体師として現場に立っていると、ちょっと違和感を持つ場面もあるんです。
たしかに、便利で話し相手のように使えるChatGPTは、健康に関するヒントを得るにはとても役立ちます。でも、それを”検索代わり”に使いすぎて間違った方向に進んでしまう人も……。
本記事では、健康のためにChatGPTを使いたい方に向けて、「どう使えば本当に意味のある情報に出会えるのか」「注意すべきポイントはどこか」を整体師・元作業療法士の視点からわかりやすくお伝えします。
ChatGPTは専門家ではないことを知る
ChatGPTは医師や国家資格を持った専門家ではありません。文章生成のプロであり、Webや論文から学習した知識をベースに答えています。
▶だからこそ、【完全に信用する】のは危険。
特に健康・体の不調に関しては、必ず実際に体を診てもらうことが最も大切です。
実体験:
ChatGPTに肩こりの相談をしてきたお客様(30代男性)が「言われたストレッチをずっとやっているけど、中々よくならない」と話していました。
実際に体を触ってみると、肩ではなく“股関節と腰椎のねじれ”が原因でした。
このように、症状 → 原因 → 改善のステップが大切であり、”肩こり=肩の問題”とは限りません。そこがAIだけでは限界がある部分です。
ChatGPTが間違う理由:過去の検索履歴や質問文
ChatGPTは文脈を保持して会話します。つまり、あなたがどんな質問をしてきたか、どんな検索を繰り返してきたかによって、出力結果が影響を受けます。
▶ 例:
「肩こり 改善 ストレッチ」と何度も聞いていた場合、体の深い構造や別の原因には触れにくくなる傾向があります。
だからこそ、検索ではなく、
❓「なぜ肩がこるのか?」
❓「他の部位との関連性を教えて」
というように原因を深掘りする質問の仕方がとても大切になります。
ChatGPTに”できる”こと
- 症状の傾向や一般的な原因のヒントを出す
- 論文や健康記事の内容を要約してくれる
- 食事や運動の選択肢を与えてくれる
- 思考整理(自分の不調を言語化)を手伝ってくれる
ChatGPTに”できない”こと
- 実際に身体を触診し、微細な歪みや硬さを確認すること
- 病気の診断や処方行為(これは医師の領域)
- 一人ひとりの体に合わせた最適な施術
バズり情報やSNSは逆効果も
SNSやYouTubeなどでバズっている健康情報は、インパクト重視で作られているものも多く、本質的な原因や改善法ではないケースが多いです。
特に、
- 1分で治る!
- 誰でも簡単に治る!
- この1つの体操でOK!
といった情報には注意。むしろ逆効果になる場合もあります。
現場の実感として、SNSでバズっている健康法だけで根本的に良くなることはありません。
バズる要素になる強い刺激や派手な施術ほど注意が必要です。
例えば、ダイエット法で「たった1つ!これをすれば-10kg」など、極端な内容は一度疑ってみる視点も大切です。
健康に活かすChatGPTの正しい使い方
正しい質問の仕方
- 「呼吸の浅さと肩こりの関係を教えて」
- 「整体的に、腰の不調の隠れた原因は?」
- 「健康のためにできる、生活習慣の整え方を3つ」
日常での使い方例
- 自分の症状を箇条書きで書いて聞いてみる
- 疑問を言語化してから相談する
- ストレスや心の状態も含めて質問する(例:「不安が多いとき、呼吸に影響ありますか?」)
まとめ:ChatGPTは補助輪、本当の健康は”自分主体”
健康は、誰かに”してもらう”ものではなく、自分が”選びとる”もの。
ChatGPTはそのきっかけを与えてくれる便利な相棒です。
でも、体に起きている問題の本質は、専門家と一緒に深掘ることでしか見えてこないのもまた事実です。
ぜひ、ChatGPTを”補助輪”として使いながら、自分の体にもっと意識を向けてみてください。
未来の自分を守るのは、今の小さな選択と知識です。
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