ライフタペストリー:心の成長の段階とは?
社会人として数年働くと、ふと「このままでいいのかな?」と立ち止まる瞬間が訪れます。
そんな心の動きには一定のパターンがあり、由佐美加子さんの著書『ザ・メンタルモデル』では、それを「ライフタペストリー」と呼んでいます。
ここでは5つの段階を紹介しながら、それぞれに起こることと、少しずつ取り入れたい行動指針をお伝えします。
適合期(合わせて生きる時期)
適合期で起こること
- 「期待に応えなきゃ」と思って残業や休日出勤をしてしまう
- 上司や先輩に嫌われないように振る舞う
- 本当は断りたいのに飲み会や頼まれごとを引き受ける
- 成果が出れば満たされるけれど、うまくいかないと一気に自信を失う
- 気がつけば「いい人」を演じることに疲れている
適合期の行動指針
適合期は、社会人になってから何年も繰り返すことがあります。
努力して結果が出ている間は満たされますが、うまくいかないと「自分には価値がない」と感じやすいのも特徴です。
ここで大切なのは「自分が今、適合期にいる」と気づくこと。
いきなり「自分らしく生きよう!」と頑張らなくても大丈夫です。まずは、「やりたくないことを1つ断ってみる」「今日は無理しないと決める」といった小さな行動から始めてみましょう。
直面期(生きづらさに気づく時期)
直面期で起こること
- 「頑張っているのに、なんで満たされないんだろう」と感じる
- 仕事にやりがいを感じなくなる
- 休日に寝ても疲れが取れない
- 人間関係の中で孤独感が強くなる
- 「このままの人生でいいのかな」とモヤモヤする
直面期の行動指針
直面期は、今までの「合わせて生きるやり方」が限界を迎えるサインです。
苦しさに気づけたこと自体が、大きな一歩。
行動としては、自分の気持ちを書き出す、信頼できる人に話してみるなど、心の声を外に出していくことが大切です。
答えを出そうと焦らず、「そう感じている自分を認める」ことから始めましょう。
自己統合期(自分と向き合う時期)
自己統合期で起こること
- 「本当はどうしたいんだろう」と考える時間が増える
- 自分の感情に敏感になり、泣いたり怒ったりすることが増える
- 今までの価値観が崩れて戸惑う
- 自己啓発や心理学の本に自然と手が伸びる
- 人からどう見られるかより「自分はどう感じるか」を気にするようになる
自己統合期の行動指針
自己統合期は、抑えてきた自分と向き合うステージです。
すぐに「これが私の本心だ!」と決まらなくても大丈夫。
日記を書く、瞑想する、自然に触れるなど、静かに自分とつながる時間を持つことが効果的です。
迷いや揺れがあっても、それ自体が「自分を知る過程」だと受け止めましょう。
体現期(自分らしさを表に出す時期)
体現期で起こること
- 「これは違う」と思ったことをはっきり断れるようになる
- 小さくても自分の意見を言えるようになる
- 人間関係が少しずつラクになる
- 以前より自然体で過ごせる時間が増える
- 「自分はこれでいい」と思える瞬間が出てくる
体現期の行動指針
体現期では、自分らしさが行動ににじみ出てきます。
ここで大切なのは「完璧に自分らしくしよう」と気負わないこと。
小さなチャレンジを繰り返すことで自信が育ちます。
例えば「今日は会議で1回発言してみよう」「無理な誘いを断ってみよう」といった行動から、自分の軸を強めていきましょう。
自己表現期(社会に貢献する時期)
自己表現期で起こること
- 自分の経験を誰かの役に立てたいと思う
- 自然と人から相談されることが増える
- 「ありがとう」と言われることに喜びを感じる
- 自分のやりたいことと仕事が少しずつ重なっていく
- 周囲に安心感や勇気を与えられる存在になっている
自己表現期の行動指針
自己表現期は、ありのままの自分を土台に社会に貢献していくステージです。
ここでは「人を助けなきゃ」と気負う必要はありません。
自分が心からやりたいことを楽しむことが、結果的に誰かの支えになります。
肩の力を抜いて、日常の中で自然に「与える」ことを意識してみましょう。
まとめ:今どの時期にいるかを知ることが第一歩
ライフタペストリーの5つの段階は、「自分はいまどこにいるのか」を知るだけで、行動のヒントが見えてきます。
この適合期や直面期だから良い悪いではありません。
とにかく努力したり頑張れば良くなるということでもありません。
焦らず一歩ずつ、今の自分に合った小さな行動から積み重ねていきましょう。
参考書籍
![]() |
ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー [ 由佐美加子 ] 価格:1925円 |
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