【心の取扱説明書】4つのメンタルモデルと人生の段階を知る

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メンタルと聞くと何を思い浮かべますか?

「メンタルが弱い」「心が強い人はすごい」
そんな言葉を耳にすることがあります。

世間で言われる“メンタル”は、気合いや精神力といったイメージが強いかもしれません。
しかし実際には、心の状態はもっと繊細で、深い仕組みによって形づくられています。

その仕組みを理解するためのヒントになるのが、メンタルモデルという考え方です。
これは、私たち一人ひとりの思考や感情の「無意識のパターン」を指します。

「なぜ同じ状況でも人によって感じ方や反応が違うのか?」
その答えを知ることは、自分の心を扱う“取扱説明書”を手に入れるようなもの。
本記事では、由佐美加子さんの著書『ザ・メンタルモデル』を参考にしながら、4つの代表的なメンタルモデルと、人生の成長段階(ライフタペストリー)をご紹介します。

4つの代表的なメンタルモデル

多くの人の無意識には4つの「根っこの思い込み」が存在します。

A. 価値なしモデル「私には価値がない」

  • 特徴:自己肯定感が低く、他者の評価に敏感

  • 代償:努力過多や過剰な自己否定

  • 作りたい世界:認められ、安心して自己表現できる世界

B. 愛なしモデル「私は愛されない」

  • 特徴:愛情や信頼関係に不安を感じやすい

  • 代償:人間関係に距離を置き孤独になりやすい

  • 作りたい世界:愛され、信頼できる関係が自然にある世界

C. ひとりぼっちモデル「私は所詮ひとりぼっちだ」

  • 特徴:孤独を前提に行動する、他者の支援を受けにくい

  • 代償:協力やサポートを得にくく、孤立しやすい

  • 作りたい世界:一緒に支え合える、孤独を感じない世界

D. 欠陥欠損モデル「私には何かが決定的に欠けている」

  • 特徴:完璧主義、過度な努力、欠点に敏感

  • 代償:疲弊、自己否定、ストレス増加

  • 作りたい世界:ありのままの自分で安心できる世界

ライフタペストリー:心の成長の段階

メンタルモデルは、人生のプロセスの中で少しずつ変化・進化していきます。
その流れを「ライフタペストリー」と呼びます。

適合期(合わせて生きる時期)

この時期は、親や学校、社会の価値観に合わせて生きています。
「本当はこうしたい」という気持ちよりも、「期待に応えなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」という思いが強く、自分を抑えて我慢しながら周囲に合わせてしまいます。

一見うまくやれているように見えても、「本当の自分」を隠し、外の基準に従おうとする時期

直面期(生きづらさに気づく時期)

自分を抑え込むことで生きづらさを感じ始めます
合わせてばかりでいると、だんだん苦しくなってきます。
「本当の自分」と「こうあるべき自分」の間にギャップを感じ、違和感や生きづらさが表面化します。
たとえば、頑張っているのに満たされない、人間関係で孤独を感じる、という状態です。
適合期が繰り返され、この状態から抜け出したいと気づく時期になります。

自己統合期

ここでは、自分の内面としっかり向き合い始めます

本当の気持ちはどうなのか」「人・社会からどう見られるかではなく、自分は何を望んでいるのか」を考え、抑えてきた自分と理想の自分を少しずつ統合していきます。
「ありのままの自分」と「こうあるべき自分」を見つめ直し、統合していく段階。

体現期(自分らしさを表に出す時期)

自分と折り合いがついてくると、日常の中で自然に「自分らしさ」を表現できるようになります。
たとえば、職場で意見を言えるようになったり、無理な人間関係を手放したり。
行動や選択が、少しずつ「自分の軸」に沿うようになっていきます。
自分らしさを生活や人間関係の中で実際に表現できるようになる段階。

自己表現期(社会に貢献する時期)

最後の段階は、ありのままの自分を土台にしながら、周囲や社会に影響を与えていくステージです。
「自分らしく生きる」だけでなく、その姿勢が他者の勇気や安心感につながり、自然に貢献となっていきます。
まさに「自分の人生を生きながら、人の役にも立っている」状態です。

実体験:私もすべてのモデルを抱えていた

私自身、4つのモデルすべてに当てはまっていました。
特に強かったのは「価値なしモデル」。

「ありのままの自分はだめだ」と思い込み、何でもできる自分を目指して努力を続けてきました。
その結果、確かに成果や評価は得られることもありましたが、同時に疲弊し、心は置き去りになっていたのです。

そんなときにメンタルモデルの存在を知り、初めて「自分の心がなぜこう動くのか」を理解できました。
「今どの段階にいるのか」を知ることは、自分に優しくなれるきっかけになると感じています。

まとめ:心の取説を持つということ

メンタルモデルを理解することは、心の取扱説明書を手に入れるようなものです。

  • 自分がどんな思い込みを抱えているのか

  • 今どの段階にいるのか

  • これからどんな世界を望んでいるのか

それを知るだけでも自己理解は大きく深まり、生活を楽しむきっかけにもなります。

メンタルモデルとライフタペストリー一覧

メンタルモデル 口ぐせ的な思い込み 特徴 代償 作りたい世界
価値なしモデル 「私には価値がない」 自己肯定感が低く、他者の評価に敏感 過剰な努力・自己否定 認められ、安心して自己表現できる世界
愛なしモデル 「私は愛されない」 愛情や信頼関係に不安を感じやすい 人間関係の距離感・孤独 愛され、信頼し合える関係がある世界
ひとりぼっちモデル 「私は所詮ひとりぼっちだ」 孤独を前提に行動し、他者の支援を受けにくい 協力や支援を得にくく孤立しやすい 支え合える、孤独を感じない世界
欠陥欠損モデル 「私は何かが欠けている」 完璧主義、欠点に敏感 疲弊・ストレス・自己否定 ありのままでも安心できる世界

段階 わかりやすい説明 キーワード
適合期 周囲の期待に合わせて「いい子」を演じる時期。自分を隠して外の基準に従う。 合わせて生きる
直面期 頑張り続けた結果、違和感や生きづらさが表面化する時期。限界に直面する。 苦しさに気づく
自己統合期 本当の自分と理想の自分を見つめ直し、折り合いをつけて統合していく時期。 自分と向き合う
体現期 自分らしさが行動に現れ始める。選択や人間関係が自分軸になる。 自分らしさを表現
自己表現期 ありのままの自分をベースに、他者や社会に貢献していく段階。影響力が生まれる。 人や社会に影響を与える

👉表を見て「どのモデルが強いか」「今どの段階か」をざっとチェックしてみてください!次回は「理解」から「実践」へ進む方法を具体的に紹介します。

次回予告:理解から行動へ

この記事では「心の取扱説明書」として、メンタルモデルの4タイプとライフタペストリーを紹介しました。

大切なのは、まず「自分の現在地を知ること」。
そして次のステップは「そこからどう行動していくか」です。

👉 次回は、実際にメンタルモデルを手放し、自分らしい世界を生きるための具体的な行動方法をお伝えします。

 

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