はじめに:「私は体が固いから…」と思い込んでいませんか?
「肩が回らない、腰が重い」
「ストレッチしても変わらない」
そんな声をよく聞きます。
でも実は、体が固くなるのにはちゃんと理由があります。
本来、筋肉はゴムのように柔軟で、伸びたり縮む性質をもっています。
ではなぜ、どんどん固くなっていくのでしょうか?
この記事では、「体が固くなる仕組み」と「知られざる筋肉の働き」、
そして「今すぐできる正しいケア方法」をご紹介します。
筋肉は“使わない”と縮んで固くなる
筋肉は本来、動かすことで柔らかさを保つ仕組みになっています。
しかし、長時間の同じ姿勢や運動不足が続くと、使われない筋肉はどんどん縮み、硬直してしまいます。
特に、「じっと座っているだけ」でも、筋肉は使われずに緊張しっぱなしの状態になり、
縮んでいくのです。
そして固くなると、動かしにくい → さらに動かさない → もっと固くなる…という悪循環に入ってしまいます。
血流が悪くなると、筋肉はさらに固くなる
筋肉が固くなるもう一つの理由が、「血流の悪化」です。
血流が滞ると、
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酸素や栄養が筋肉に届かない
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疲労物質がたまりやすい
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筋肉が回復しにくくなる
という状態に。
つまり、**血が巡らない筋肉は“冷えて、疲れて、硬くなる”**のです。
固くなる原因は、日常にひそんでいる
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長時間の座り姿勢
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同じ動作の繰り返し(スマホ、パソコン、立ちっぱなしなど)
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ストレスや緊張による自律神経の乱れ
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冷えによる筋肉の防御反応
👉 これらが積み重なると、どんどん「体が固くなる」方向に進んでいきます。
実は“使われていない”筋肉がたくさんある
体が固い人の多くは、「一部の筋肉しか使えていない」ことがほとんど。
特に見落とされがちなのが、以下のような筋肉です。
【前鋸筋(ぜんきょきん)】
肩甲骨を支える筋肉で、呼吸や姿勢にも深く関わっています。
使われないと…
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猫背になりやすい
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肩が前に巻き込む
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背中が詰まりやすい
👉 呼吸が浅い人や、巻き肩の人は要注意!
【腸腰筋(ちょうようきん)】
股関節の深部にある筋肉で、体幹と脚をつなぐ“姿勢の土台”。
使われないと…
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骨盤が後傾しやすい(腰が丸まる)
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太ももや腰が張る
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歩きにくくなる/転びやすくなる
👉 座りっぱなしの人に多い“隠れコリ筋”
今すぐできるセルフケア&ストレッチ
1.前鋸筋を活性化する「壁押しワーク」
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両手を肩の高さで壁につける
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背中・肩甲骨から肘を曲げずに“グッ”と壁を押す
(右の画像のように肘がまがるのは✖、左の画像〇) -
肩甲骨が前に動く感覚を意識(前鋸筋が働いています)
🔹 目安:5〜10回×1〜2セット
ポイント:回数を重ねるごとに肩甲骨が動いていることを意識できればOK!
2.腸腰筋をゆるめるストレッチ
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アキレス腱を伸ばすような姿勢をとる
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骨盤を前にスライドさせるようにして、股関節の前を伸ばす
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息を吐きながら30秒キープ
🔹 反り腰にならないように、背筋は軽く丸めるのがコツ!!
3.体全体をゆるめる「呼吸ストレッチ」
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仰向けに寝て、膝を軽く立てる
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息を吸ってふくらみ、吐いてゆるむ感覚を意識
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吐くときに“体の奥の力が抜けていく”ことをイメージ
🔹 1分でも十分効果があります
まとめ:「体の柔らかさ=使われ方と血流の質」
体が固くなるのは、加齢や遺伝ではありません。
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動かしていないこと
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血が巡っていないこと
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一部の筋肉ばかりに頼っていること
それが原因です。
ストレッチだけではなく、
「本来使われるはずの筋肉を目覚めさせること」
「呼吸と血流を整えること」
これこそが、本当に柔らかくしなやかな体への第一歩です。
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不調のある方だけでなく、「体のしくみを知って整えたい」という方もお気軽にどうぞ!
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