運動の教科書 パート①
完璧より継続。ハードルは低く、効果は高く。
1. なぜ運動が必要?
- 健康寿命を伸ばす(心血管・糖代謝・一部がんの予防、転倒リスク低下)
- 座りすぎの悪影響を相殺(「どれだけ動くか」が重要
- 脳が若返る(有酸素で海馬体積↑、実行機能や記憶の改善が報告)
- メンタルの改善(うつ・不安の症状を下げ、ストレス耐性UP)
2. まずの目安(公式ガイドライン)
- 週合計: 中強度 150–300分 または 高強度 75–150分(混在OK)
- 筋トレ: 週2日以上(全身の大筋群)
- 座位時間: 長く座り続けない。小刻みの立位・歩行で分断
3. よくある勘違い
-
Q. 30分連続でやらないと意味ない?
A. 5〜10分×3でも合計は同じ。合計点主義でOK。Q. 有酸素と筋トレ、どっちが先?
A. 続けやすい順で。迷ったら交互 or 同日20分+10分。Q. 汗をかくようなきつい運動をしないと効果ない?
A. 中強度でも十分。総量が大事。Q. 水泳やスポーツも運動に含まれる?
A. はい!水泳・サッカー・バスケ・ダンス・ヨガなどもOK。楽しみながら体を動かすことが続けるコツです。
4. 効果が出る“最低限プログラム”
- 週150分(例:平日20分×5+週末25分×2)
👉軽い運動・散歩でもOK! - 筋トレ2日(スクワット/ヒンジ/プッシュ/プル/体幹を20–30分)
👉まずは、3分からでもOK!まずはやってみよう! - 日常で動く(階段・1駅歩き・家事を“ゲーム感覚”で)
- 座りっぱなしの分断(60分ごとに立つ・伸びる・100歩)
5. 1週間モデル(初心者〜中級/器具なし)
曜日 | 内容 |
---|---|
月 | 速歩20–30分+プランク合計2分 |
火 | 自重サーキット:スクワット10・膝つきプッシュ10・ヒップヒンジ15・逆Y/T各10 ×2 |
水 | やさしいヨガ20分+ストレッチ10分 |
木 | 速歩15分→階段5分→速歩10分(軽いインターバル) |
金 | 筋トレ:スクワット/プッシュ/ロウ/ヒップリフト 各12回×3 |
土 | 自転車 or 軽ジョグ30分(会話できる強度) |
日 | ロングストレッチ20分+バランス(片脚立ち左右各1分×2) |
👉まずは3分からでもOK!まずはやってみよう!
6. 強度の目安(主観でOK)
- 会話が楽に続く=軽〜中強度
- 会話が途切れがち=中〜やや高
- 一語ずつしか出ない=高強度
“話せるかどうか”を物差しに。難しい計算は不要。
7. メンタルと睡眠への効き方
- 有酸素も筋トレも うつ・不安 の症状改善に寄与(数週で変化を感じることも)
- 睡眠:夕方までの適度な運動は入眠を助け、熟眠感UP。就寝直前の高強度は避けるのが無難
8. つまずき対策(行動のハック)
- 玄関にシューズ常駐(開始の摩擦ゼロ)
- “ながら”で足す(通話=散歩/動画=ストレッチ)
- 記録は時間より回数(“成功回数”を見える化)
- ご褒美の前払い(運動前にお気に入りプレイリスト)
9. セーフティ
10. まとめの一言
「体を鍛える」と思うと重い。“動けば脳も心も整う” と考えると軽い。
今日のあなたの +10分 が、未来のあなたの “毎日” になる。
▶チェックリストを活用して、今と将来に対して自分のからだ作りをしていきましょう!
参考文献(エビデンスの拠り所)
- WHO. Guidelines on Physical Activity and Sedentary Behaviour (2020).
- 厚生労働省. アクティブガイド/健康づくりのための身体活動・運動ガイド.
- Ekelund U, et al. Physical activity and all-cause mortality across levels of sedentary time. Lancet (2016).
- Erickson KI, et al. Exercise training increases size of hippocampus and improves memory. PNAS (2011).
- Schuch FB, et al. Exercise as a treatment for depression: systematic review and meta-analysis. BJSM.
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